• ウィルコラ

    長引く新型コロナウィルスの影響により、ミャンマーのマングローブ林では、違法伐採の増加や非持続的な漁業・密猟の増加が懸念される状況にあることが、4月末から5月下旬にかけて実施した聞き取り調査の結果から明らかとなりました。

    そこでWilCoLaでは、保全地域周辺の住民主導による小規模な保全プロジェクトを開始することにしました。この保全プロジェクトが、新型コロナウィルスの影響で大きく減少してしまった収入源の代替のひとつとなり、現地住民と野生動物の保全活動の両方に少しでも貢献できればと考えています。※本プロジェクトは、米国の支援者による緊急助成金で賄われています。

    食料支援

    保全プロジェクト開始にあたり、まずは日々の生活への不安を少しでも取り除いてもらいたいと考え、食料支援を実施しました。現地の協力者に依頼してプロジェクトサイト周辺に住む人々に必要なものを聞いて回り、米や油など要望のあった食料品をフードパッケージにして、配布してもらいました。

    フードパッケージを運んでいる様子。マングローブ林の川をボートで進み、保護区周辺に住む人々へ運んでいます。

    フードパッケージの中身(主食の米、油、野菜など)

    食料配布の際、住民の方々に集まってもらい、住民とマングローブ林とのかかわりや、新型コロナウィルスの影響下にある地域住民の現状を踏まえたうえで、保護区内及びその周辺においてスナドリネコをはじめとする野生動物の保全を、今後どのように行うことができるのかについて、聞き取り調査を行いました。

    現地協力者による聞き取り調査の様子。

    保全プロジェクト

    地域の人々にとって、マングローブ林は日々の生活で使う場所であり、庭みたいなものです。彼らはどこで何が起きていて、今はどんな問題があるかを熟知しています。そこで本プロジェクトでは、現地での雇用創出にも貢献したいとの考えもあり、地域住民主導によるカメラトラップ調査を試験的に開始することにしました。

    地域の人々が調査を主導していくことで、将来、地域の人々が主導となった保全の形に一歩近づくことを期待しています。

    今後は、さらに大きな規模で地域住民の雇用を創出できるよう、似たような状況にある他の団体と協力しながら、どのような方法があるかについても模索していく予定です。