• ウィルコラ

    新型コロナウィルスの流行による自粛生活が続く中、皆様いかがお過ごしでしょうか?

    WilCoLaは、海外(アジア)や日本での屋外活動がメインのため、ほとんどの活動に支障がでている状況ではありますが、協力団体等との協議・協力のもと、可能な限りの活動を続けています。

    先日、インドネシア・スマトラ島でオランウータンの保護活動を行うYayasan Ekosistem Lestari(https://www.yel.or.id/en/)とオンラインで意見交換を行いました。YELは傷ついたオランウータンの治療やリハビリテーション、地域住民への環境教育を行っています。パームオイルとオランウータンの問題をアニメーションで紹介しているので、ぜひご覧ください。(英語です)

    “Why Palm Oil Kills Orangutans”

    Youtube:  https://www.youtube.com/watch?v=wgqO7C4gRKY#action=share

    パームオイルとはアブラヤシから搾油される植物油で、パン、チョコレートやカップラーメンなどの加工食品、石鹸、シャンプー、化粧品、医薬品などに幅広く利用され、私たちの生活を支えています。しかしパームオイルを生産するために、オランウータンの生息が脅かされていることをご存じでしょうか?

    世界のパームオイルの約80%が生産されているインドネシアとマレーシアには、オランウータンが生息する限られた熱帯雨林があります。農園開拓の際、オランウータンが野焼きに巻き込まれたり、また生息域が減少したことが主な原因で、この100年でその生息数は80%も減少したと推測されています。オランウータンは、ほとんどの時間を木の上で過ごし、ドリアンやマンゴーなどの果実などを食べて生きています。生活の場が奪われ、食べるものを求めて人間の生活圏に現れたオランウータンは、人間に殺傷されたり、捕獲されて違法に取引されることもあります。

    それでは遠くにいる私たちにできることは何でしょうか?買うものを選ぶことです。環境や生態系に配慮した製品が売れる(私たちが選ぶ)ことで、パーム農園経営者などにそうした製品をつくるインセンティブを与えることができます。例えば、「RSPO認証」※を取得した製品を選ぶことで、オランウータンの森を破壊しないパーム農園経営を促すことができます。

    おうちで過ごす時間が多いこの機会に、食品や生活用品の選び方を見直してみませんか?

    またお子さんと一緒に考えてみたいという方には、こちらの絵本もおすすめです。世界の絶滅危惧種と、人々の生活とのつながりをわかりやすく伝えてくれる絵本で、オランウータンも紹介されています。

    『もったいないばあさんと考えよう 世界のこと 生きものがきえる』真珠 まりこ著 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000186028

    ※RSPOとは、Roundtable on Sustainable Palm Oil(持続可能なパーム油のための円卓会議)の略です。詳しくは、RSPO公式サイト英語(https://www.rspo.org/)やWWF(https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/2484.html)をご参照ください。

    REFERENCES:

    Current Report, World Agricultural Production(USDA, April 9, 2020) https://apps.fas.usda.gov/psdonline/circulars/production.pdf

    Wich et al. (eds.) 2011. Orangutans and the Economics of Sustainable Forest Management in Sumatra. UNEP/GRASP/PanEco/YEL/ICRAF/GRID-Arendal.