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    3月末に、バングラデシュ北東部での乾季の調査が終了、設置したカメラトラップにより、スナドリネコの生息を新たなエリアで確認することに成功しました!

    バングラデシュのスナドリネコは、個体数が減っていると考えられており、その姿をカメラトラップで確認することはなかなかできません。また、2月以降はCOVID19の影響も強く受けましたが、これまで生息を確認できていなかった森林保護区で、カメラトラップにより、スナドリネコの姿を捉えることができ、大きな成果を上げることができました。

    今回の調査の目的は、スナドリネコの安全な生息地を探すことでした。スナドリネコが比較的多く生息すると考えられる近隣の内陸湿地は、人との生活圏と重なることから、人による捕殺が多く、個体数の減少の主要因の一つとなっています。スナドリネコの地域個体群を保全していくためには、捕殺を減らさなければなりませんが、人々の行動を変化させるためには長い時間が必要です。そのため、一刻も早く、人が少なく、捕殺も少ないエリアに、スナドリネコにとって安全な生息地を確保していく必要があり、今乾季の調査(12月から3月まで)では、湿地から10km離れた場所にある森林保護区に検討を付け、調査を行いました。この森林保護区では、これまでスナドリネコが生息する証拠が見つかっていませんでしたが、設置したカメラトラップにより、スナドリネコの生息の確認ができたのです。さらに、ベンガルヤマネコなど他の食肉目も捉えることができ、森林保護区の多様な生態系も改めて確認されました。

    次の保全のステップとしては、スナドリネコが繁殖するための環境があるかの確認となります。繁殖できなければ、個体群の長期的な維持に貢献できる生息地とはならないためです。そのため、2020年12月からは、まずは森林保護区にスナドリネコの子どもが生息しているか確認するため、足跡の調査やカメラトラップでの継続調査を行っていく予定です。

    なお、本カメラトラップの調査は、アメリカのBig Cat Rescueによる助成金を受けて実施しています。

    水の中を歩くこともあるため、足跡が水の中に残っていることもあります。(Photo by WilCoLa)

    足跡やフンを探して回り、スナドリネコが写る可能性が最も高そうな場所にカメラトラップをかけています。(Photo by WilCoLa)